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Handai-CARP’s blog

大阪大学CARP(原理研究会)です!

知性は悪か? 【書評】ブッダの夢 河合隼雄と中沢新一の対話

ユング心理学の第一人者 河合隼雄氏と宗教学者 中沢新一氏が対話する。

河合 そういう知恵とか、あるいは知という存在を近代は全部否定したんですよ。近代というのは、平板的な、「いわゆる」付き普遍的知というものだけが知だと思い始めたわけでしょう。

ここでの「知恵」は、身体を動かし身体で感じる知恵を指している。中沢氏はこの知恵について、ブータンで聖地を巡礼した時の体験を語る。

中沢 実際、その「炎の湖」という淵に出かけていって、自分がそこの淵に立ってみると、なにかが急にわかるんですね。変な話なんですけども、僕はブータンの聖地を歩いているうちに、自分が変わってくるのがよくわかりました。十何年勉強してわからなかった本の内容が、そこから帰ってきたらすっきり全部わかるようになっていました。

中沢氏は、肉体を聖地と呼ばれる場所へ運んで行った時に、何かが見えてくると言う。チベットの思想家やインディアン、アボリジニーがやっていた創造行為が自分の中で再現されて、知恵を得られるというのだ。

その知恵は真っ当なものか?知恵を得る過程が奇怪ではないか?そう疑念を抱くかもしれない。現代は、言葉では説明しきれぬもの、理解の範疇を超えるものには不寛容なのだ。証明なきものは、私たちの知性が受け入れないからだ。

しかし、私に新しい扉を開いてくれるものは、私の外からやってくる。未だ知性が及ばぬところにこそ、求めるべきものがあるのだ。